No. 77 スンニー派イスラム教徒


 Farina (ファリナ)さんはマレーシア人の内科医で、現在広島大学医学部大学院に留学中。イスラム教の経典であるコーランの教えでは、女性は人前では髪の毛を隠さなくてはいけない。しかし敬虔なマレーシア人のムスリムでも、王妃や首相夫人、進歩的な考えを持つ女性は必ずしもトドゥンと呼ばれるスカーフで髪の毛を隠す事はしない。    

 イスラム教には、主にイランに代表される戒律の厳しいシーア派とマレーシアやインドネシアパキスタン等の国々で信奉される比較的戒律の緩やかなスンニー派がある。  

 マレーシア最高学府のマラヤ大学医学部卒のインテリ女医のFarina さんは、敬虔なムスリムだがトドゥンで髪の毛を覆う事はしないし、シーア派のイラン人女性が身に着けているチャドルと呼ばれる顔と手以外を覆い隠す黒い服を着る事もない。お洒落でカラフルなバジュクロン姿を披露してくれるのは、スンニー派ムスリムだからこそ。

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2018年10月、女将剣道の紹介でステージに立つ事になり、マレーシア語の歌唱パーフォーマンスを披露

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2020年1月広島県立高校でのマレーシア講座

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 女将剣道が講師を務める広島市主催のマレーシア理解講座や、広島県立高等学校のマレーシア講座をFarina さんは毎回快く協力してくれる。そのお礼にと浴衣セット一式をプレゼント。彼女は象牙の塔にこもるタイプではなく、広島市から岩国市の錦帯橋まで配偶者とサイクリングする行動派。私の友人のイスラム教徒のカップルは全員、女性の配偶者の留学の為に男性の相方が仕事を辞めて一緒に来日している。イスラム教は女性を大切にし、女性の意志を尊重する宗教で、これはその事を示す良い例だとあるムスリムの友人は言う。

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2019年5月Farina さんに浴衣の着付けを伝授。2020年はコロナ禍の為に広島では浴衣の着始めのお祭りである「とうかさん」は中止となった

 女将剣道はFarina さんに、フォーマルな場面に着れる和服や小物も会う度に一点ずつプレゼントしてきた。本来は一括でプレゼントしたいところだが、和服はマダムの道楽の一つで、これには私の様な庶民にはなかなか手が出せない値段のものばかり。そんな中で以前プレゼントした紫色の和服にカラーコーディネイトするのが、今回プレゼントする赤色の草履。

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令和2年(2020年)9月末、やっとイメージの草履を和服展示会で見つけて、プレゼント用に購入

 

 マレーシアに帰国後に、もし和服でパーティに出席して、日本文化を紹介してもらえるならば、プレゼントのし甲斐もあるというもの。

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