マレーシアやインドネシアの伝統的民族楽器のガメラン。個々の楽器には名称があるが、総称してガメラン楽器といわれている
マレー系、中国系、インド系の三民族複合国家マレーシアの人口の6割を占めるマレー系のルーツは、インドネシアのスマトラ島。従って両国の文化は似通っている。
広島県庁の経済開発担当部門主催のイベントの為に、広島にあるマレーシア政府出先機関からの依頼を受けて、ガメラン・マレーダンスのパーフォーマンスを行う。演目は『Ayak Ayak (アヤアヤ)』
ガメラン楽器に合わせて踊られる宮廷舞踊がガメラン・マレーダンス
ガメラン・マレーダンスは踊りの演目により衣装のデザインが決まっていて、ダンサーが自由に変更できるのは舞台衣装の色彩だけ。上の写真の演目は、両方とも同じ『Ayak Ayak 』。しかし一方の舞台衣装は黄色と黒色の組み合わせ、他方は金色と紫色の組み合わせ。オーダーメイドの衣装代は、マレーシアのOLの1ヶ月分の給料に相当する。
ガメラン・マレーダンス『Asyik(アシェ)』
『Asyik 』はマレーシアとタイとの国境に位置するクランタン州の宮廷舞踊
マレーシアは1957年8月31日にマラヤ連邦がイギリスから独立して、独立国家マレーシアとなった。それを記念して8月31日はナショナルデイと呼ばれる休日。マレーシアの首都クアラルンプールでは、毎年8月31日にマレーシア語で「独立」を意味するムルデカの言葉を冠したムルデカ広場で独立記念パレードが開催される。
2018年からは人工的に造られた、整然としてはいるがどこか無機質な行政都市のプトラジャヤで開催される様になったが、今年はコロナ禍の影響で中止。中止になったのは今回が初めてだが、アジア的でカオスな街・クアラルンプールでかつて行われていた様々なグループによる盛大なパレード。その中で、この『Ayak Ayak』のコスチューム軍団はひときわ群衆の目をひいていた。
独立記念パレードは、やはりアジア的な喧騒に包まれたムルデカ広場で開催されなくては「らしく」ない。