No. 74 幻の『Ayak Ayak』


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マレーシア宮廷舞踊ガメランマレーダンス 

        『Ayak   Ayak 』

 

 マレーシア語で『Alamak (アラマッ)』という言葉がある。マレーシアでは何度もこの言葉を耳にした。

 日本語で意外な時に発する言葉に『あら、まぁ』がある。驚きを表現するの際に思わず口にする言葉である点でも、発音の点でもこの『Alamak』と同じである。マレーシア人の友人が「語源は偉大な神様アッラーAllahでも、家族を大切にするマレーシア人にとってとりわけ尊敬する母親(マレーシア語でmak と書いてマーと発音する) でも驚いた」という意味の言葉だと教えてくれた。

 更にマレーシア語には、「ΧΧです」を方言で「ΧΧじゃ」という広島県民には印象深い言葉もある。『仕事』という意味の『berkerja(バカジャ)』。

 ところでマレーシア語は単語を二度繰り返す言葉が多い。例えば『sama  sama(有り難うございますの返事のどういたしまして)』や、『jalan  jalan(散歩)』等。


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ダンスの合間に出来る限りマレーシアを理解してもらえる様に、マレーシアカルチャーショック話をする女将剣道

 

 令和2年(2020年)9月中旬、広島市内の某区民文化センター大ホールで、今年で第8回目となるWord Festaが開催される予定であった。各国の楽器や舞踊等の文化交流を通して相互理解を深め、国際交流・世界平和の実現をテーマとするイベントで、女将剣道もその趣旨に賛同して何回か出演したが、今年はことのほか多忙ではあったけれども国際交流・世界平和が趣旨と言われては出演依頼を断るわけにはいかない。

 しかし益々猛威をふるう新型コロナウイルスの影響で、フライヤーやパンフレットが作成され、公的機関発行の月刊誌に案内記事が掲載されたにも関わらず、その後に主催者が苦渋の選択のもと、下した決断が中止。

 今回の幻となった演目は、ふるいにかけてゆらゆらと揺れる動きを意味する『Ayak   Ayak (アヤアヤ)』。   

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広島市の公的機関で発行される月刊誌に掲載され今となっては幻のイベントとなってしまった案内記事。『新型コロナウイルスの状況によって中止になる可能性もあります』の一文が世相を反映している。